2020年 05月 05日
第4章 その4 弱視とは
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色々な「視」があります。
「遠視、近視、乱視」これは眼の大きさ形、つまり「構造」で決まります。「老視」は毛様体の機能で決まります。
対して、弱視とは「網膜」の機能の問題です。「網膜」が正常に育たず、モノを見ることが出来ません。




もう1つの原因が「遠視」。これはやや分かりずらいかもしれません。
「遠視」とは “スタート” が遠い状態です。それゆえ「近く」を見るには毛様体が頑張る必要があります。
「毛様体」が頑張らないと近くが見えない。「ぼんやり」と見えたままです。このぼんやり状態が当たり前と思い、眼が育つとどうなるか。網膜は「未熟」なままです。結果、弱視になります。
検査ですが、まずは「斜視」があるかないか。
次に「視力」です。これが全てを決めます。裸眼であろうが、矯正であろうが、”視力1.0” であれば、網膜はキチンと成長している事になり、弱視は回避できた事になります。
ただし、視力検査とは「自覚検査」であり、本人の理解がどうしても必要です。早くても3歳以降にしか検査できません。



「遠視」に対しては「眼鏡」をかけてもらいます。これは「近く」を見やすくする眼鏡です。子供が興味あるであろう「近く」をハッキリ見てもらい弱視眼 “網膜” の成長を促すのです。
大人になってからの一般的な「眼鏡」とは意味合いが違います。大人の眼鏡は「遠くを見るのが不自由」「近くを見るのが不自由」がゆえに眼鏡をかけてもらいます。
しかし、「弱視」の眼鏡は「網膜の成長を促す」ための眼鏡です。半ば強制的です。諸々大変かもしれませんが、将来のためです。少なくとも家にいるうちは、何とか頑張って眼鏡をかけてもらうよう、お願いしています。
なお、この眼鏡は “7歳” で終了です。7歳を超えると「網膜の成長」は期待できません。以降は大人と同じく「不自由」なら眼鏡をかけてもらう、ということになります。
「遠視、近視、乱視」これは眼の大きさ形、つまり「構造」で決まります。「老視」は毛様体の機能で決まります。
対して、弱視とは「網膜」の機能の問題です。「網膜」が正常に育たず、モノを見ることが出来ません。

いわゆる「近視」は世間では「悪い眼」と言われます。しかし、近視であっても網膜がちゃんと育っていれば、眼鏡をかけて「1.0」が見えるわけです。眼科医の立場で言えば、それは「良い眼」です。
対して「弱視」は網膜がちゃんと育っておらず、眼鏡をかけても「1.0」が見えません。眼科の立場で言えば「悪い眼」ということになります。 弱視はどうやって発症するか。

生まれた時、網膜は未熟で全く見えていません。「モノを見ること」により網膜を育てていくのです。その成長は 7歳まで。つまり「7歳」までにキチンと眼を育てないと、その後は未熟な状態の眼で過ごさねばなりません。
眼を育てている期間、何らかの「障害」があると網膜が育ちません。極論、眼帯を付けっ放しだと、網膜は育たず、弱視になります。

「斜視」も何らかの障害になります。「斜視」とは右眼と左眼で見る方向が違う状態です。するとモノが二重に見え、疲れが生じます。その「疲れ」を防ぐため、どちらか片方の眼は使わなくなります。結果、眼が育たず、弱視になります。

「遠視」とは “スタート” が遠い状態です。それゆえ「近く」を見るには毛様体が頑張る必要があります。
「毛様体」が頑張らないと近くが見えない。「ぼんやり」と見えたままです。このぼんやり状態が当たり前と思い、眼が育つとどうなるか。網膜は「未熟」なままです。結果、弱視になります。
検査ですが、まずは「斜視」があるかないか。
次に「視力」です。これが全てを決めます。裸眼であろうが、矯正であろうが、”視力1.0” であれば、網膜はキチンと成長している事になり、弱視は回避できた事になります。
ただし、視力検査とは「自覚検査」であり、本人の理解がどうしても必要です。早くても3歳以降にしか検査できません。
治療に関してです。

一番簡便なのは、正常な眼を遮蔽することです。「アイパッチ」と呼ばれています。これにより弱視眼 ”網膜” の成長を促します。1日中は現実的に難しいので、時間を決めて遮蔽してもらいます。この「アイパッチ」と組み合わせて以下の処置を施行します。

「斜視」に対しては手術が必要になることもあります。特に患眼が内側を向いている「内斜視」は視力検査ができる前に施行する事もあり得ます。

大人になってからの一般的な「眼鏡」とは意味合いが違います。大人の眼鏡は「遠くを見るのが不自由」「近くを見るのが不自由」がゆえに眼鏡をかけてもらいます。
しかし、「弱視」の眼鏡は「網膜の成長を促す」ための眼鏡です。半ば強制的です。諸々大変かもしれませんが、将来のためです。少なくとも家にいるうちは、何とか頑張って眼鏡をかけてもらうよう、お願いしています。
なお、この眼鏡は “7歳” で終了です。7歳を超えると「網膜の成長」は期待できません。以降は大人と同じく「不自由」なら眼鏡をかけてもらう、ということになります。
by o-ieye
| 2020-05-05 13:13
| 近視のススメ