2020年 05月 05日
余談3の2 若くても老眼?
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「近見障害」は視力障害のみならず、肩こりや頭痛、諸々の不定愁訴になりうる、意外と厄介な疾患です。ただし「メガネ」を使用するだけでアッサリと解決してしまうことが多々あります。

「近見障害」を認めてしまえば、解決は早くなります。ただし、認めたがらない人も多数おられます。
その理由は、この疾患が一般的に「老視」と呼ばれているからだと思われます。

最も分かりやすいのは「加齢」だと思います。これがいわゆる「老視」です。
「近見障害」とは毛様体の機能低下です。毛様体は筋肉です。それゆえ「疲れ」でも「近見障害」は生じます。疲れに関しては「年齢」は関係なしです。「若年者」であっても発症し得るのです。
ただし「若年者」の近見障害は、基本一過性です。長時間の近見作業後、一過性に “ゴール” が遠くなってしまいますが、休憩すればまた元に戻ります。対して「老視」の場合は、永続的に毛様体機能が低下します。
「老視」は「近見障害」の一形態にすぎません。「近見障害という疾患があり、その仲間として老視がある」と本来は語られるべきです。
しかし、現実は逆転しています。「まずは老視という疾患があり、若年者の近見障害はそのうちの一形態である」と。
個人的には違和感があります。何故ゆえ「若年者」の疾患に「老」という文字が入るのか?
何事もカタチから。モノゴトの「名前」は大事です。
「老」というレッテルを貼られるのが嫌で、この「近見障害」を受け入れず、若年者の方が。結果、諸々の症状に耐え続けている若者が散見されます。
ましてや、近見障害改善に有効なモノの名が「老眼鏡」。メガネ一つで簡単に解決するのに、この “名前” だけで使用を拒絶される方もおられます。
一般的には「老視」と呼ばれる所を、あえて「近見障害」と言い換え続けたのには、こういった事情があります。
若年者の「近見障害」にもっと適切な名前はないのでしょうか。ボンヤリ見えるのだから「朧視」とか。
「老眼鏡」も改名が必要です。「近見メガネ」では短絡的すぎます。毛様体という筋肉を助けるのですから「パワードメガネ」とかいかがでしょうか。
冷静に考えれば、メガネには二種類しかありません。
遠くを見やすくする凹レンズのメガネ
近くを見やすくする凸レンズのメガネ
メガネの役割は “スタート” 位置を変えるに過ぎません。名前に拘らず、我慢せず、適切なメガネを使って下さい。なにせ、これほど便利な「道具」はありません。使わな損です。
by o-ieye
| 2020-05-05 13:24
| 近視のススメ