2020年 05月 08日
点眼の方法
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緑内障特設サイト
近視関連のブログ記事
絶賛公開中です。
「緑内障」と「近視」。小生にとっては眼科の中でも特に興味がある分野なのですが、両者に勝るとも劣らず関心のある事項があります。それは「点眼」です。
この「点眼」に関する "フライヤー" を作成しました。当眼科限定で配布中です。
我々眼科医は「診察し原因を考え診断を下し点眼剤を処方しました!!」それだけで満足してはいないでしょうか?
ダメです。本当に大事なのはこの先です。
処方された点眼剤を、患者さんがきちんと点眼できていなければ、全ては意味のないものに終わってしまいます。
「患者さんが点眼剤をきちんと点眼する」までが治療なのです。
「点眼手技」に関しては、眼科に常設されているパンフレット、web サイト、諸々の媒体にて指導、提言、啓蒙されています。その内容に異論は基本ありません。
小生なら点眼指導の「一行目」に何を書くか。ズバリ「下まぶたをひく」です。
ダメです。本当に大事なのはこの先です。
処方された点眼剤を、患者さんがきちんと点眼できていなければ、全ては意味のないものに終わってしまいます。
「患者さんが点眼剤をきちんと点眼する」までが治療なのです。
「点眼手技」に関しては、眼科に常設されているパンフレット、web サイト、諸々の媒体にて指導、提言、啓蒙されています。その内容に異論は基本ありません。
小生なら点眼指導の「一行目」に何を書くか。ズバリ「下まぶたをひく」です。

「下まぶたを引き、下まぶたに点眼剤を入れる」
一番大事なポイントだと個人的に考えています。
一番大事なポイントだと個人的に考えています。

このイメージは間違いです。以下に直接角膜に点眼するデメリットを列挙します
「直接点眼された薬剤」は「角膜」に強い刺激を与え傷をつける原因になる
万が一「点眼ボトル」を落とした時「角膜」を直撃し傷をつける
角膜は透明性のある組織です。万が一傷がつくと混濁し視力が大きく低下します。
また点眼剤を作用させたい部位は「角膜」とは限りません。例えばアレルギー性結膜炎
であれば周囲の「結膜(白目)」が主座になります。緑内障点眼剤も、結膜(白目)を通過して眼球内に移行します。
また点眼剤を作用させたい部位は「角膜」とは限りません。例えばアレルギー性結膜炎
であれば周囲の「結膜(白目)」が主座になります。緑内障点眼剤も、結膜(白目)を通過して眼球内に移行します。

点眼ボトルの「先端」が怖くて点眼できない、という方もおられます。「下まぶた」に点眼する場合、ボトルの横を見ながらの点眼になります。つまり「先端」への恐怖感が和らぐことが期待できるのです。下瞼に点眼するメリットの一つと言えます。
1回1滴も大事です。何滴も点眼したからといって効果は上がりません。一回の点眼で眼球に吸収される量は決まっています。それ以外は眼球外に溢れて、皮膚炎等の原因になってしまします。
あと一手間。点眼後、しばらくは眼を閉じておいてください。一呼吸置くぐらいの感じで良いです。全身の副作用があるものでしたら、目頭と鼻の間を少し押さえておいてください。
大事なポイントは「下まぶたに1滴」。他人に点眼する時もそのようにしてあげて下さい。
点眼剤の数に関してです。
中には出来るだけ多くの点眼剤を使いたい、と思っている方もおられると思います、 が、是非とも必要最低限にしていただきたい、と思う次第なのであります。
点眼剤には基本「防腐剤」が含まれています。この防腐剤は眼球表面(角膜や結膜)に傷や炎症を生じさせる可能性があります。点眼剤数が増えれば増えるほど、防腐剤の量も増え、その結果、眼球表面に障害が生じる可能性が高まります。角膜びらん、アレルギー性結膜炎、ドライアイ、といった疾患です。
その点だけでも点眼剤数は少ない方が良いと思われます。
by o-ieye
| 2020-05-08 16:25
| 小野原いくしま眼科